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TV・雑誌で取り上げられた歯科ニュースに関する院長の見解うすい歯科医院の消毒・滅菌体制

世界標準の滅菌対策の考え方 -スタンダード・プリコーション-

皆さんは、「スタンダードプリコーション」という言葉を聞いたことがありますか?
1996年にCDC(米国疾病管理予防センター)が提唱した概念で、「すべての患者の血液、体液(汗を除く)、分泌物、排泄物、粘膜、損傷した皮膚には感染の可能性がある」とみなし、患者や医療従事者による感染を予防するための予防策(標準予防策)のことです。

今までは、というよりも今でもかなりの数の歯科医院では、B型肝炎やHIVなどの感染症に罹っている患者さんからの自己申告があってはじめて、その方の治療器具の消毒などを特別に気を付けるようにしているのが実情です。

しかし、これはスタンダードプリコーションの概念からは正しくありません。
自己申告をしない感染症患者さんもいるかも知れませんし、感染していることを自覚されていない患者さんもいますし、もっと言えばまだ人類が認識していない病原体に感染している可能性もある訳です。(大げさではなく、G型肝炎ウィルスは1995年に初めて発見されたばかりでまだよく分かっていないことも多いという事例もあるくらいです)

読売新聞にも書かれた日本の歯科医院のお粗末な滅菌対策

別のページにも書きましたが、2014年5月18日の読売新聞の記事で、「7割もの歯科医院が歯を削る機器を滅菌していない」と大きく掲載されました。

歯を削る機器を使いまわしするような環境レベルは、スタンダードプリコーションどころか院内感染の危険性の高い、極めて危険な治療環境とも言えます。

そのような歯科医院が2014年時点で7割以上も存在していたとするならば、同じ歯科業界の人間としても、とても恥ずかしいことだと思います。

うすい歯科医院の消毒・滅菌体制

うすい歯科医院は郡山では屈指の滅菌体制を整えていると自負しています。

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DACプロフェッショナル
<さまざまな器具類を減菌する滅菌器>

これは内部を高圧力にできる耐圧性の装置で、医学分野では主に減菌処理を行うオートクレーブという器械で、院内感染を防止するための最新機器です。ヨーロッパ基準(EN13060)で最も厳しいクラスB基準をクリアしています。(クラスBについては下記に詳細)
DACプロフェッショナルは包装された器材を完全に滅菌するのに必須の機器となります。インプラントの手術の場合には全ての器材を使い捨てと言う訳にはいきませんから、小さな器材は必ず包装して滅菌を行います。一般に使用されているオートクレーブでは包装された器材は完全に滅菌は出来ません。
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DACユニバーサル
<タービン(治療ドリル)の滅菌のための装置>
タービンの掃除の際、一般的な滅菌の機械では内部の清掃はほぼ不可能でしたが、DACユニバーサルなら、内部まで確実に滅菌が可能なため、理想的な滅菌処理が可能です。
上述の新聞掲載の問題は、これで完全にクリアできます。

※DACユニバーサルについては、「私だったらこんな歯医者に行きたいvol.1」に詳しく掲載されています。
ピュアトロン
<術者の手指を安全に消毒するオゾン水>

塩素殺菌の7倍の殺菌効果があり、かつ人体に安全なオゾン殺菌ができるオゾン精製水です。
このオゾン水で、ドクター・スタッフも手指消毒を行っています。

※ピュアトロンについては、「私だったらこんな歯医者に行きたいvol.8」に詳しく掲載されています。

通常の滅菌器では不十分な理由

通常の高圧滅菌器の場合、歯を削るタービンの表面は滅菌できますが、タービンの内部まで滅菌することができません。

タービンの内部は、治療中に水が噴射される仕組みになっていますが、削った後の血液や歯の削りカスなどが逆流しないように、「逆流防止弁」といった機構が備わっています。

ところが・・・
逆流防止弁がついているタービンで本当に逆流しないのかを以前に実験したことがありました。

その結果は、なんと逆流していたのです。。。



上の写真は、食紅で色をつけた水の中でタービンを動かした後、一度止めて、再度ティッシュペーパー上で動かしたものです。
(治療をした後に、タービン内部が滅菌されていないままに別の人の治療をしたケースを想定)

こちらの動画もありますので、詳しくは「TOKYO MX放送スーパードクター『滅菌にこだわるドクター』」をご覧ください。

このような理由からうすい歯科医院では、タービン内部まで滅菌できる「DACユニバーサル」を使用しているのです。

ご参考いただければ幸いです。

※参考 クラスBなどの滅菌レベルについて
高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)の滅菌レベル
● Class N・・・
滅菌チャンバー内へ蒸気を送り込みながら空気を除去するため表面的な滅菌しかできない。ハイスピード滅菌器やフラッシュ滅菌器とも呼ばれる。
● Class S・・・
ClassBとNの中間レベルであり、滅菌前の1回、真空状態を作り、高圧蒸気滅菌をおこなう。一部の機種ではハンドピースなども滅菌可能。
● Class B・・・
滅菌前、乾燥時に数回の真空状態を作り、蒸気が浸透することで、多孔質物や内腔物などあらゆる種類や形状を確実に滅菌する。
(クラスBという滅菌レベルは、世界で最も厳しいヨーロッパの滅菌基準に準拠)
多くの歯科医院で導入している滅菌器はClassSまたはNです。

滅菌器レベル表

日本で13台しか導入されていない 最新プラズマ滅菌器も導入しました!

プラズマ滅菌器

全国で13台しか導入されていない機器ですから、いかに特別なものなのかが想像できると思います。

このプラズマ滅菌器は、次世代の滅菌器として特に内視鏡検査などを頻繁に用いる大きな病院等において導入されてきている機器で、高周波エネルギーを加えて低温のプラズマを発生させて滅菌します。

滅菌温度が55℃以下であり、蒸気を使用しないので金属製品に錆が発生しないことや器材の劣化の問題も解決できる滅菌法です。

※プラズマ滅菌器については、「私だったらこんな歯医者に行きたいvol.13」に詳しく掲載されています。

プラズマ滅菌器

なぜ、歯科医院によって滅菌レベルが異なるのか?

なぜだと思いますか?
器具の消毒や滅菌は、売上には何の貢献もしないところ、それどころかコストもとても掛かるところ。そして、患者さんからは見えないところ。。。

そこまでお伝えすれば、歯科医院によって滅菌レベルが異なることも想像できるのではないでしょうか。

ちなみに・・・
クラスSやNのオートクレーブよりもクラスBのオートクレーブは価格が2~3倍します。
さらに、プラズマ滅菌器は、そのクラスBのオートクレーブの3~4倍の価格に加えて、年間の保守費用だけで新たにクラスSのオートクレーブが購入できるのです。

クラスSやNを使用されている先生からすると、バカらしいと思われるかもしれません。
しかし、院内感染に巻き込まれてからでは遅いですし、そのような悲しい思いを患者さんにはしてもらいたくないのです。

これからも患者さんに見えないところまでこだわっていきたいと思います。