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私だったらこんな歯医者に行きたい!Vol.2金属器具の滅菌編

目に見えないところにこだわれ!

前回に引き続き、第2回も「滅菌」についてマニアックに語っていきたいと思います(笑) 皆さんは、「根の治療」というのを聞いたことがありますか?これはとても大事な治療で、むし歯が神経まで進行した場合に、まず汚染された神経を細菌と一緒に掻き出して、極力無菌状態にしなくてはなりません。
これが、いわゆる「根の治療」です。そして、そのときに使うのが、「リーマー」や「ファイル」という器具です。

しかし、この器具、折れやすいのです・・・

当然、このリーマーやファイルも、滅菌・消毒する必要があります。(昔はこれも使いまわしだったと聞きますから恐ろしいものです。今はそんな医院はないかとは思いますが・・・)
通常は、「オートクレーブ」という滅菌器具を使用して滅菌します。
しかし、ここで問題が生じます。オートクレーブだと、金属劣化(腐食)を起こして折れやすくなるのです。
なぜ折れるのが問題かというと、根の治療中に折れた場合、除去するのが大変難しく、そのまま残してしまうことがあるからです。患者さんは「目に見えない部分」なので当然気づきません。しかし、この残ったリーマーが感染源になって再治療になった場合に、器具が邪魔で十分な治療ができず、最悪、抜歯になる危険性もあるのです!!

手間はかかるが優秀な「ガス滅菌」!

そうした理由から、私はリーマー・ファイルを滅菌するとき は、オートクレーブは使用しません。 その代わりに、「ガス滅菌器」を使用します。 ガス滅菌は、オートクレーブに比べ、
× 滅菌時間が長時間かかる・・・(1日1回しか使えません)
× 機械の価格も高い・・・
× ランニングコストも高い・・・

と、一見いいところがなさそうなのですが、優れているのが、「金属劣化」を起こさない点です!

うすい歯科にとっての安全とは!?

「ガス滅菌? 高いし、正直そこまで手間なことはやってられないよ!」
もしかしたら、そんな先生も中にはいらっしゃるかもしれません。なみに、業者さんの話によると、ガス滅菌を導入している歯科医院は1割もないと聞きます。
(大型総合病院ではかなりの割合で導入されています)
正直、私も手間だと思うし、(もっと安く使えんかな~)とも思います。
でも、私だったらそんな歯医者に行きたいと思うのです。
だから、うすい歯科医院では、今日も、「のろま」で、「コストのかかる」ガス滅菌を使います。でも、最近、このガス滅菌が可愛く思います。まるで、出来の悪いひとり息子のように(笑)